ChatGPTにプロンプトを作らせる活用法 – 自分で書かずにAIに考えさせる新発想

最近、社内外でChatGPTを使う人がどんどん増えています。こういった状況で、よく聞かれるのが、『プロンプトはどうやって作っていますか?』という質問です。ChatGPTに何かをお願いするときの指示文(プロンプト)は、AIから望む回答を引き出すカギになります。そのため、社内でも「上手いプロンプトの書き方ってあるの?」「何かコツが必要?」と話題になることが増えてきました。


この質問に対して一言で答えるのは難しいですが、良いプロンプト作りはChatGPTを使いこなす上でとても重要です。これまでは自分で試行錯誤しながら「どう指示すれば目的の答えが得られるか」を考えるのが普通でした。しかし最近、なんとChatGPT自身にプロンプトを考えてもらうというユニークな方法が注目されています。本記事では、従来のプロンプトの書き方とその限界に触れつつ、ChatGPTにプロンプトを作らせる新しいアプローチを紹介します

目次

これまでのプロンプトの書き方とその限界

まずは、従来よく言われてきたプロンプトの書き方と、その限界について整理してみましょう。ChatGPTが登場した当初から、「プロンプトエンジニアリング」という言葉が生まれるほど、みんな試行錯誤してきました。典型的なプロンプト作成のコツとして、例えば以下のようなポイントがよく挙げられます。

  • 背景や役割を伝える: 例:「あなたは経験豊富なマーケターです。」といった形で、AIに特定の役割や
    視点を与える。
  • 具体的な指示を出す: なるべく曖昧さを避け、「○○について300文字で要約してください」のように具体的な依頼内容・条件を書く。
  • フォーマットや口調を指定する: 箇条書きで答えてほしい場合や、カジュアルな口調で答えてほしい場合など、出力のスタイルを指定する。
  • 段階的に質問する: 一度に複雑なお願いをするのではなく、「まずアウトラインを作って」「次に詳
    細を肉付けして」と段階を踏む。

こうした工夫のおかげで、かなり質の高い回答を引き出せるようになりました。しかし、従来のプロンプト作成にはいくつか限界もあります。

  • 時間と労力: 良いプロンプトを考えるのは意外と時間がかかり、何度も書き直す必要があることも珍しくありません。一発で完璧な指示を書くのは難しく、多くの場合トライ&エラーになります。
  • 知識や経験が必要: 「AIはどこまで理解できるのか」「どう言えば意図が伝わるのか」を学ぶ必要があり、初心者にはハードルが高い部分です。プロンプトエンジニアリングの知識がないと、せっかくのAIを持て余してしまうかもしれません。
  • 想定外の回答が出る: どんなに頑張って詳細に書いても、AIがこちらの意図とズレた回答をしてしまうことがあります。これはプロンプトの罠とも言われ、ユーザーの思い込みとAIの解釈の違いが原因です。
  • プロンプトの長文化: 詳細に指示しようとするとプロンプトがどんどん長文化してしまい、毎回長文を書くのは面倒です。極端な場合、自分で小論文を書くようなプロンプトになってしまい、「これなら自分でやった方が早いのでは?」と感じてしまうことも…。

このように、プロンプト作成にはコツが要る反面、限界や手間もありました。では、これらの課題を少し違う角度から解決する方法として注目されているのが「GPTにプロンプト自体を作らせる」というアプローチです

GPTにプロンプトを作らせる方法

「AIへの指示文を、自分ではなくAIに考えさせる?」一見、不思議な発想ですよね。しかし実際にやってみると、これがなかなか便利で効果的なんです。ここではChatGPTにプロンプトを作らせる手順をステップごとに紹介します。

  1. 目的をまず伝える: 最初に、ChatGPTに対してあなたが達成したい目的や欲しい結果をシンプルに伝えます。ポイントは、この段階では具体的なプロンプト(指示文)ではなく、「○○についての要約が欲しい」や「△△なアプリのアイデアを出したい」のようにゴールや悩みをそのまま説明することです。
  2. 「良い指示」を尋ねる: 次に、ChatGPTにどうお願いすれば良い結果が出せるかを相談してみます。「この目的を達成するには、どんなプロンプトで聞けばいい?」とか「理想的な指示の書き方を提案して」といった問いかけをします。普段なら自分で頭をひねって考えるプロンプト作りの部分を、丸ごとChatGPTに投げかけるイメージです。
  3. AIからの提案を活用する: ChatGPTはあなたの目的に沿ったプロンプト案や質問の仕方を提案してくれるでしょう。例えば、「○○の専門家として重要ポイントを3つ挙げ、それぞれ詳しく解説してください」といった具合に、かなり丁寧な指示文を返してくれるかもしれません。提案内容を読んで、必要に応じてこちらから追加で条件を伝えたり、わからない部分を質問したりして微調整します。「もう少しフォーマルな口調にして」とか「△△にも触れてほしい」とリクエストしてみてもOKです。
  4. 仕上がったプロンプトで実行: こうしてChatGPTと対話しながらプロンプトが仕上がったら、改めてそのプロンプトを使って本来の質問・依頼を実行します。提案された指示文をそのままChatGPTに入力してもいいですし、すでに会話の流れでAIが理解している場合は「ではそのプロンプトでお願い」と伝えるだけで、AIが最終的な回答を返してくれます。

この方法を使うと、まるでAIにコンサルしてもらいながら依頼文を作成しているような感覚になります。自分では思いつかなかった切り口のプロンプトが得られることも多く、結果としてより創造的で的確な回答を引き出せる可能性が高まります。また、自分でイチから長大な指示を書かなくて済むので手間も減ります。もちろん最終的な調整や判断は人間側で行う必要がありますが、「プロンプトを考える」というプロセスをAIと協同作業にすることで、かなり負担が軽くなるはずです。

AI活用に必要なのは「指示力の言語化」

では、こうした新しいAI活用の鍵となるものは何でしょうか?それはズバリ、こちらの意図をAIに正確に伝える力です。言い換えれば、『自分がやる』のではなく『AIにやらせる』ための発想を言語化して明確にするスキルです。この「指示力の言語化」こそが、ChatGPTをはじめ生成AIを使い倒すために今後ますます重要になっていくでしょう。

要するに、頭の中では「○○してほしい」と思っていることを、きちんと言葉に落とし込む力です。自分では黙々と作業できたとしても、それを他人(ここではAI)にやってもらうには適切な指示に落とし込む必要があります。まるで上司が部下に仕事を振るように、あるいはプロジェクトマネージャーがチームにタスクを伝えるように、やってほしい内容を明確に言語化するわけです。

このスキルが高ければ高いほど、AIが期待通りに動いてくれる確率は上がります。逆に、「なんとなくこんな感じでやっておいて」と曖昧なままだと、AIは戸惑って望まない結果を出すかもしれません。「指示力の言語化」は、一見地味ですがAI時代の新しいリテラシーとも言えるでしょう。プロンプトをAIに考えさせる方法も結局は自分の指示したいことを明確に伝える力が土台にあります。まずは自分のニーズやゴールを言葉できちんと説明できるようになることが、AI活用の第一歩です。

今後のAIとの付き合い方(Vibe Codingの紹介も含めて)

生成AIが進化するにつれ、私たち人間とAIの関係性も少しずつ変わってきています。これまでは「AIに答えをもらう」感覚が強かったですが、今後はAIをパートナーや代理人としてうまく使いこなす方向に進んでいくでしょう。つまり、人間が細部まですべて手を動かすのではなく、AIにできる部分はどんどん任せてしまうスタイルです。


その代表的な例として最近注目されているのが「Vibe Coding(バイブコーディング)」という概念です。これはプログラミングの世界で生まれた言葉ですが、AIとの新しい付き合い方を象徴しています。従来のプログラミングでは人間が一行一行コードを書いていました。しかしVibe Codingでは、開発者は作りたいものの大まかな方針や“ノリ”(vibe)を示し、実際のコード生成はAIに任せてしまうのです。例えば「こんな感じのWebアプリを作りたい。まずログイン機能を作ろう」と指示を出すと、AIがコードを書き始め、人間はその提案を見ながら「もう少しここをこうして」とフィードバックする――まさに人間とAIの協調作業で開発が進んでいきます。


Vibe Codingの面白いところは、人間がひたすらキーボードを叩くのではなく、会話や指示を通じてプロジェクトを進める点です。開発者はディレクターや音楽で言う指揮者のような役割に近くなり、AIが演奏者として実装を担うイメージですね。この流れはプログラミングに限らず、他の分野にも広がっていく可能性があります。たとえばデザインの分野でも、デザイナーが「こんな雰囲気でこの要素を使ったデザインを作って」とAIに伝え、生成された案をもとにブラッシュアップする、といったコラボレーションが考えられます。


今後ますますAIが高性能になると、「人間が何をやり、何をAIに任せるか」の見極めが重要になってきます。人間にしかできない創造的な部分に専念し、その他の反復作業やパターン化できる部分はAIにどんどん委ねる――そんな働き方が主流になるかもしれません。そのためにも必要なのが、前述した指示力の言語化です。AIとの付き合い方が「自分でやる」から「AIにやってもらう」にシフトする中で、自分の意図やアイデアを正確にAIに伝える力がますます価値を持つでしょう。Vibe Codingはその好例であり、「AIに任せる部分」と「人間が見る部分」の新しいバランスを示しています


まとめ・皆様への提案

ChatGPTをはじめとする生成AIの普及に伴い、「良いプロンプトを書けるかどうか」がこれまで以上に話題になっています。本記事では、従来のプロンプト作成の方法とその限界、そして一歩進んChatGPTにプロンプト自体を書かせるという新しい発想をご紹介しました。ポイントを振り返ってみましょう。

  • 従来のプロンプト作成: 役割や具体的な条件を細かく書くことでAIの回答精度を上げる工夫がされてきましたが、その反面、プロンプトを考える手間や難しさもありました。
  • GPTにプロンプトを作らせる: 自分で頑張って指示文をひねり出す代わりに、AIに「良い指示の出し方」を相談してみるアプローチです。これにより新しい観点のプロンプトが得られ、手間も削減できます。
  • 指示力の言語化: AI活用で一番大切なのは、自分のやりたいことを的確にAIに伝えるスキルです。「自分がやる」のではなく「AIにやらせる」ために、何をどう指示すればいいかを言語化できる能力が求められます。
  • 新しいAIとの協働スタイル: 今後はVibe Codingのように、人間が方向を示しAIが具体的なアウトプットを作る協働作業が増えていくでしょう。その際にも鍵になるのは明確な指示とコミュニケーションです。

最後に、この記事を読んでくださった皆さんに一つ提案です。次にChatGPTを使うときは、ぜひ「自分で全部指示を書かなきゃ」ではなく「ChatGPTに上手い指示文を考えさせてみよう」というアプローチを試してみてください。たとえば、何かレポートを書かせたいなら「○○についてレポートを書きたいんだけど、どんなプロンプトで頼むと良い?」と聞いてみるのです。きっと、AIから思わぬ提案が返ってきてハッとするはずです。

このような練習を積み重ねると、自然と自分の指示力(伝える力)も磨かれていきます。AIに任せられるところは任せ、人間はより創造的な部分に集中する――そんな未来がすぐそこまで来ています。ぜひ肩の力を抜いて、AIとの対話をプロンプト作りから楽しんでみてください。そして、「AIにやらせる」新しい仕事のスタイルを、一足先に体験してみましょう!

ChatGPTにプロンプトを作らせる活用法 – 自分で書かずにAIに考えさせる新発想

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この記事を書いた人

あなたの隣りに何時もいる『ITC顧問』こと、ふくろう博士です。ITC和歌山オフィスの『ITC顧問』スタッフとして、簡単・シンプル・手頃なICTツールを駆使して、あなたの会社の課題解決のお役立ち情報を呟いています。気軽に、フォローなどでお声をお掛けください。
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