「一生懸命考えた企画なのに、なんだか少し古いかも…」
「このアイデアは、今の時代に本当に受け入れられるだろうか?」
新しい企画やアイデアを練っているとき、ふとそんな不安に襲われたことはありませんか?
どれほど優れたアイデアも、時代の価値観とズレていては誰の心にも響きません。特に現代では、「環境」や「社会」への配慮が、企画の成功を左右する重要なカギとなっています。
この記事では、AIを「未来から来たアドバイザー」に変身させ、どんなアイデアにも時代を先取りする視点を加え、企画の説得力と魅力を劇的に高める技法を解説します。
一見まったく関係なさそうな「マッチングアプリ」をテーマにした実践例を読めば、あなたもきっと、このテクニックを試してみたくなるはずです。
なぜ今、企画に「社会への配慮」が必須なのか?
そもそも、なぜ現代の企画に「環境」や「社会」への配慮が必要なのでしょうか。
その答えはシンプルで、時代が大きく変わったからです。
環境や社会への配慮が欠けたアイデアは、どんなに画期的であっても「独りよがりな企画」と見なされ、ユーザーや社会から受け入れられにくくなっています。これは、もはやビジネスにおける大前提と言っても過言ではありません。
しかし、環境問題や社会課題はあまりにも広くて深いテーマです。そのすべてを一人で把握し、説得力のある企画に落とし込むのは、ほとんど不可能に近いでしょう。
そこで強力な味方になるのが、AIです。AIの膨大な知識を活用することで、私たちはこの大きな壁を軽々と乗り越えることができるのです。
AIを「未来から来たアドバイザー」にする魔法のテクニック
今回ご紹介するのは、AIに「環境・社会課題」という、いわ“未来の価値観”をインストールするテクニックです。
なぜ「未来の価値観」なのでしょうか?
それは、今まさに世界で議論されている環境問題や社会課題が、数年後にはビジネスや社会の「当たり前の基準」になっている可能性が非常に高いからです。つまり、この視点を今のうちから企画に取り入れることは、時代を先取りすることに他なりません。
そして、このテクニックが本当にすごいのは、一見するとテーマと全く関係のないお題に使ったときです。
普段の思考の枠を打ち破り、誰も思いつかないような斬新な切り口を与えてくれる「強力なセカンドオピニオン」として、絶大な効果を発揮してくれます。
【実践】マッチングアプリに「未来の視点」をインストールしてみた
百聞は一見に如かず。その効果を実感していただくために、今回はあえて意外性の高いお題で試してみましょう。
お題:ユーザーが本当に夢中になれる新しいマッチングアプリのアイデア
普通、マッチングアプリと環境問題を直接結びつけて考えることはありませんよね。ここに「未来の視点」をインストールすると、どんな化学反応が起きるのでしょうか。
実際にAIに、以下のプロンプトを投げかけてみました。
【プロンプト】ユーザーが本当に夢中になる新しいマッチングアプリのアイデアについて、持続可能なエネルギー源を活用したアイデアや環境への影響を配慮したアイデアはありますか?
すると、AIは驚くほど創造的で、心温まるアイデアを3つ提案してくれました。
1. エコアクションマッチ
「共に汗を流して自然な出会いを」がコンセプト。植林や農作業体験、ビーチクリーンといった環境保全活動への参加を通じて出会うことを目的とします。共通の目的を持って協力することで、自然なコミュニケーションが生まれ、内面的な価値観で深くつながれるというアイデアです。社会貢献と素敵な出会いを両立させる、新しい価値を提供してくれます。
2. グリーンライフスコア
「暮らしの価値観で未来のパートナーを見つける」がコンセプト。普段のライフスタイルに関する質問(例:エコバッグを使っているか、公共交通機関をよく利用するか等)から、その人の環境配慮度を「グリーンライフスコア」として数値化。そのスコアを基準に価値観の合う相手とマッチングするというものです。サステナブルな生活様式という、これからの時代に重要な内面の価値観でつながれるのが面白い点です。
3. バーチャルフォレスト
「2人の愛を未来の森に」というロマンチックなコンセプト。マッチングした相手とのメッセージ交換やデートといったコミュニケーションを通じて、アプリ内にバーチャルな木が育っていきます。そして、その木が一定の大きさに達すると、現実の世界で植林活動が行われるという仕組みです。2人の関係性の深まりが「木の成長」として可視化され、それが現実の社会貢献にもつながる。ゲーム感覚で楽しみながら、愛も地球も育める素晴らしいアイデアです。
どうでしょうか。ただ出会いの効率を上げる、もっと気軽に会える、と考えるだけでは決して出てこない、温かみと社会的意義のあるアイデアが生まれました。
【応用編】SDGsの視点でアイデアの解像度をさらに上げる
この技法は、「環境」というテーマだけでなく、SDGs(持続可能な開発目標)のような、より広い社会課題に適用することで、さらに面白くなります。
先ほどのプロンプトに、以下の一文を付け加えてみましょう。
【追加プロンプト】さらに、ジェンダー平等(SDGs 5)の観点から、誰もが安心して使えるアイデアを加えてください。
このプロンプトに対し、AIは次のようなアイデアを返してきました。
【AIの回答】プロフィールから性別や年齢といった項目を必須ではなく任意入力とします。そして、内面の価値観や趣味の一致を最優先で表示することで、先入観に基づかない人間性のつながりを促進します。
これは、外見やスペックといった固定観念からユーザーを解放し、誰もが安心して自分らしさを表現できる場を提供するという、非常に現代的で意義深いアイデアです。
このようにSDGsの観点を加えることで、アイデアに深みと現代的な意義が加わり、より多くの人に受け入れられる企画へと進化させることができます。
まとめ:あなたのアイデアを未来へアップデートしよう
最後に、本日のポイントを3つにまとめます。
- 現代のアイデアには「環境・社会への配慮」が必須である
- AIに未来の視点(環境・社会配慮)を聞くことで、時代を先取りできる
- 一見無関係なお題にこそ、思考を飛躍させる起爆剤となる
AIは、私たちの思考を補助し、一人ではたどり着けない場所へ連れて行ってくれる強力なパートナーです。
さあ、あなたのアイデアにも「未来の視点」を加えてみませんか?
あなたが今考えている企画でこのプロンプトを試してみて、どんな化学反応が起きたか、ぜひコメントで教えてください!
参考プロンプト(技法6:環境に考慮した持続可能なアイデアを発想します)
〈 課題などを記入 〉について、持続可能なエネルギー源を活用したアイデアや、環境への影響を配慮したアイデアはありますか?
(コピペして〈〉の中身をあなたのテーマに変えるだけで使えます)
参考書籍
この記事で解説した内容は、書籍『AIを使って考えるための全技術』で紹介されている50以上のテクニックのうちの1つです。もっとずるい思考法を知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
・AIを使って考えるための全技術