【第19回】アイデアが出ない…はもう終わり!AIで創造力をハックする”ずるい”発想法


「企画会議で、また何も思いつかなかった…」
「自分にはクリエイティブな才能なんてないから…」

新しいアイデアを出そうとするたびに、こんな風に諦めてしまった経験はありませんか?多くの方が、「創造力」は一部の天才だけが持つ特別な才能だと思い込んでいます。

しかし、それは大きな誤解です。

実は、創造力はスポーツや勉強と同じように、正しいトレーニング方法さえ知っていれば誰でも鍛えることができるスキルなのです。

この記事を読めば、AIをあなた専属のアイデアトレーナーとして活用し、眠っている創造力を呼び覚ます具体的な方法がわかります。煮詰まった課題に、思いもよらない角度から光を当てるずるい”技法を、あなたも身につけてみませんか?

目次

「創造力がない」はただの思い込み。アイデアの正体は「連想力」だった

まず、あなたの中にある「自分には創造力がない」という頑固な思い込みを手放すことから始めましょう。

ブレインストーミングの生みの親として知られるアレックス・オズボーンは、こんな言葉を残しています。
「創造的な力は、想像力による。そして想像力の中心には、連想する力、つまり連想力がある」

少し難しく聞こえるかもしれませんが、要するに、斬新なアイデアとは既存の知識や情報の「新しい組み合わせ」に他なりません。

一つの物事から、どれだけ多くの、そしてどれだけ意外な物事を連想できるか。この「連想力」こそが、創造力の本当の源泉なのです。そして何より重要なのは、この連想力は意図的にトレーニングできるスキルだということです。

とはいえ、一人で黙々と連想トレーニングをするのは大変ですよね。そこで登場するのが、AIです。

【実践編】AIで連想力をハックする!「レトルトカレー」で試すアイデア発想法

今回は、多くの方にとって身近で、かつ「もうアイデアなんて出尽くした」と思われがちな「レトルトカレー」をテーマに、この”ずるい”発想法を実践してみましょう。

「え、レトルトカレー?星の数ほど商品があって、競争が激しすぎるでしょ…」

そう思いませんでしたか?
普通に考えればその通りです。しかし、今回ご紹介する技法は、まさにそんな常識や思い込みで凝り固まった市場にこそ、思いもよらない角度から光を当てることができるのです。

STEP1:AIに「連想のシャワー」を要求する

まずはAI(今回はGeminiを使用)に、思考のタネを大量に投げてもらいましょう。ポイントは「関連性の高いもの」と「あえて関連性の低いもの」の両方を要求することです。

【プロンプト例】

「新しいレトルトカレーのアイデア」というテーマから、関連性が高いと連想できる単語を30個挙げてください。関連性が薄くてもいいので、連想できる単語を100個挙げてください。

このプロンプトを投げると、AIは「スパイス」「高級」「時短」といった直接的な単語から、「宇宙食」「サステナブル」「ゲーマー向け」「サブスク」、そして「パズル」といった、一見するとカレーとは結びつかない意外な単語まで、大量のキーワードをリストアップしてくれます。

STEP2:人間が「意外な組み合わせ」を発見する

AIが生成した単語のシャワーを浴びながら、「これとこれを組み合わせたら面白いかも?」というインスピレーションを探します。ここが、人間の創造性が最も発揮される部分です。

今回は、AIが出したリストの中にあった「カレー × パズル」という、非常に面白そうな組み合わせに注目してみましょう。

STEP3:AIにアイデアを「具体化」してもらう

面白そうな組み合わせを見つけたら、再びAIにバトンを渡します。今度は、その組み合わせを元に具体的なアイデアを出してもらうのです。

【プロンプト例】

「カレー × パズル」という組み合わせで、新しい商品のアイデアを5個考えてください。

するとAIは、

  • 謎解きスパイスキット:正しいスパイスの組み合わせを解き明かさないと完成しないカレー
  • 食べる発掘パズルカレー:ルーの中に化石の形をした具材が隠れていて、発掘体験ができる
  • パッケージが立体パズルになるカレー:食べ終わった後の箱で遊べる

など、具体的な企画案を次々と提案してくれます。さらに「競合商品はある?」と聞けば、簡単な市場調査まで行ってくれるので、アイデアの実現可能性を探ることまで可能です。

【プロの技】さらに発想を広げるための追加プロンプト術

この方法を試す中で、行き詰まることもあるかもしれません。そんな時のために、さらに発想を広げるプロの技を2つご紹介します。

ケース1:ありきたりな単語しか出てこない時
AIが出す単語がどれもカレーに近く、平凡で発想が広がらない…。そんな時は、このプロンプトで強制的に思考をジャンプさせましょう。

「カレーとは全く無関係な単語を、さらに30個挙げてください」

ケース2:突飛すぎてアイデアに繋げられない時
逆に「オーロラ」のような、どうカレーと結びつければいいか全くイメージできない単語が出てきたら、アイデア出しそのものをAIに丸投げしてみるのも有効です。

「『オーロラ』という単語から、新しいレトルトカレーのアイデアを5つ考えてください」

AIは「7色に変化するカレーソース」や「北欧の食材を使ったカレー」など、意外な切り口を提示してくれるでしょう。

【最重要】AIを真に使いこなす秘訣は「プロンプトの使い分け」

最後に、AIを使いこなす上で非常に重要なポイントをお伝えします。

普段、AIから正確な答えを引き出したい場合、プロンプトには「私の状況はこうで、目的はこれで…」と、できるだけ詳しく背景を書くのがセオリーです。

しかし、今回の発想法に限っては話が別です。

  • 目的が「深掘り」なら → プロンプトは「詳しく」
  • 目的が「発想」なら → プロンプトは「あえて曖昧に」

発想を広げたい時は、あえて前提条件を曖昧にすることで、AIの連想の幅が広がり、予期せぬ面白い単語が出やすくなるのです。この「目的によるプロンプトの使い分け」こそが、AIを本当に使いこなすための最大のコツかもしれません。

まとめ

今日のポイントを3つにまとめます。

  1. 創造力の正体は「連想力」であり、誰でもトレーニングで鍛えられる。
  2. AIに大量の連想ワードを出させ、その意外な組み合わせからアイデアの種を見つける。
  3. 発想を広げたい時は、プロンプトは「あえて曖昧に」書くのが効果的である。

あなたが行き詰まっているその課題。まずは遊び感覚で、AIに連想のヒントをもらってみてはいかがでしょうか?きっと、自分一人では決して見ることのできなかった新しい景色が、目の前に広がってくるはずです。

参考プロンプト(技法7:お題から連行できる要素を上げて、面白い切り口を見つける方法)

〈 ここにアイデアを得たい対象を記入 〉
この問題から連想できる単語を30個あげ、次に関連が薄くてもいいので連想できる単語を100個あげてください。

(コピペして〈〉の中身をあなたのテーマに変えるだけで使えます)

参考書籍

今回解説した内容は、書籍『AIを使って考えるための全技術』で紹介されている50以上のテクニックのうちの1つです。もっとずるい思考法を知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
👉AIを使って考えるための全技術

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この記事を書いた人

あなたの隣りに何時もいる『ITC顧問』こと、ふくろう博士です。ITC和歌山オフィスの『ITC顧問』スタッフとして、簡単・シンプル・手頃なICTツールを駆使して、あなたの会社の課題解決のお役立ち情報を呟いています。気軽に、フォローなどでお声をお掛けください。
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