【第29回】【悪用厳禁】AIを「発想の天才」に変える魔法のプロンプト。思考の限界を突破する方法

「新しいアイデアを出せって言われても、もう何も出てこない…」

企画会議で頭が真っ白になった経験はありませんか?いくら考えても同じ堂々巡り。自分の発想力の限界に、ため息をつきたくなる瞬間。

もし、その「限界」をいとも簡単に突破できてしまう、“悪用厳禁”とすら言える「魔法のプロンプト」があるとしたら…?

この記事では、AIをあなたの専属「発想の天才」に変え、凡人には思いつけないアイデアを無限に生み出すための具体的な方法をステップバイステップで解説します。この記事を読み終える頃には、あなたは二度と「アイデアが出ない」と悩むことはなくなるでしょう。

目次

なぜアイデアは「壁」にぶつかるのか?思考を停止させる”矛盾”の正体

そもそも、なぜ私たちの思考は停止してしまうのでしょうか。その最大の原因は「矛盾(トレードオフ)」という名の壁です。

  • 「品質を上げたい(A)けど、コストも上げたくない(B)」
  • 「機能を増やしたい(A)けど、操作はシンプルにしたい(B)」
  • 「丈夫にしたい(A)けど、軽くしたい(B)」

このように「Aを良くすれば、Bが悪くなる」というジレンマに直面した瞬間、私たちの脳は思考停止に陥ります。多くの人は、この壁の前で「両立は無理だ」と諦めてしまうか、AとBのどちらも中途半端になる妥協案しか出せなくなってしまうのです。

この根本的な壁を突破しない限り、偶然のひらめきに頼るだけの不安定なアイデア出しから抜け出すことはできません。

壁を壊す”究極の攻略本” – 天才たちの発明理論「TRIZ」の秘密

その”矛盾の壁”を破壊するために生まれたのが、旧ソ連の技術者ゲンリッヒ・アルトシュラーが開発した発明理論「TRIZ(トリーズ)」です。

彼は「歴史上の天才的な発明には、何か共通の解決パターンがあるはずだ」と信じ、世界中の数百万件もの特許を徹底的に分析しました。その執念の研究の末、彼はついに、どんなに複雑な問題も、突き詰めれば「40の発明原理(パターン)」で解決できることを発見したのです。

これはまさに「人類の知恵の結晶」とも言える究極の攻略本です。

TRIZの凄さは、先ほどの「A vs B」のような矛盾に対して、「問題を解決するための思考の切り口」を具体的に提示してくれる点にあります。

  • 「分割」:問題を細かく分けてみる、分離できるようにする
  • 「非対称」:形をあえて左右非対称にしてみる
  • 「先取り作用」:必要な変化をあらかじめ加えておく

このように、40種類の思考の「型」を与えてくれるため、誰でも天才と同じような視点で問題解決に取り組めるのです。

しかし、この分厚い攻略本は、あまりに高度で難解なため、習得するには専門的な知識と長年の訓練が必要でした。そう、AIが登場するまでは…。

AIが”禁書”を解読!誰でも「天才の思考」をインストールできる時代へ

現代の私たちは幸運です。なぜなら、あの難解な「禁書(TRIZ)」を瞬時に読み解き、私たちに最適な答えだけを教えてくれる最高のパートナー「AI」を手に入れたからです。

私たちが40もの原理を暗記する必要はもうありません。これからお伝えするプロンプトをAIに与えるだけで、AIはあなたの相談役として、以下の驚異的な働きをしてくれます。

  1. 40の発明原理を瞬時にスキャンし、あなたの課題と照合
  2. 課題と相性の良い原理から「実現可能性の高い堅実なアイデア」を提案
  3. あえて相性の悪い原理と組み合わせ「常識を覆すぶっ飛んだアイデア」も提案

これは、あなたのAIに「天才の思考」そのものをインストールするようなもの。難しい理論を学ぶことなく、ただAIに相談するだけで、あなたはブレインストーミングの達人になれるのです。

これが魔法の呪文!コピペで使える「TRIZプロンプト」

お待たせしました。これが、あなたのAIを「発想の天才」へと変貌させる魔法の呪文(プロンプト)です。
以下のテキストをコピーして、ChatGPTやGeminiなどのAIに貼り付けてみてください。

何かの工夫・改良をする際には以下の発明の切り口40個を使って発想すると多様なアイデアが出ます。今考えたいのは《ここにあなたの課題や目的を記入》の改良製品です。この題材ととくに相性がいいものを3つ選び、通常は組み合わせにくいものを3つ選び、それぞれについて具体的なアイデアを発想してみてください。 以下はその40個の切り口です。 1. 半分に切る 2. バラバラにして使えるようにする 3. 似ているものの中でどこか1つを変える 4. 左右で違う形にする 5. 二つのものを合わせる 6. 他にも使えるようにする 7. 中に、すっと入るようにする 8. どこかに重りを付ける 9. やる前に反対の方に動かす 10. 後で必要になるものを付けておく 11. 大切な所に何かを付ける 12. 高さを同じにする 13. 逆のやり方にする 14. くるくる回るようにする 15. いろいろな形にできるょうにする 16. まずは大雑独にやる 17. 出っ張っている部分やへこんでいる部分を作る 18. 揺らす 19. 何度も繰り返せるようにする 20. 続けられるようにする 21. 素早く動かす 22. 邪魔になっているものを使う 23. 見えない所の様子がわかるようにする 24. 先っぽに固いものを付ける 25. 自分でうまく繋がってくれるようにする 26. 同じようなものをたくさん使う 27. どんどん取り換えられるものを使う 28. 磁石を使って動かす 29. 空気や水がものを押す力を使う 30. アルミホイルのような形を作れるもので包む 31. くっつくものを使う 32. 色を変える 33. 同じ固さか、同じ材料にする 34. 出すぎないようにするか出てきたものをまた使えるようにする 35. 温度や柔らかさを変える 36. とかしたり、固めたりする 37. 温めて膨らませたり冷やして縮ませたりする 38. もっと濃くしたりたくさん何かを入れる 39. 周りに良くないことが起きないように、何かを詰める 40. 違う材料を一緒に使う。

使い方は驚くほどシンプルです。

《ここにあなたの課題や目的を記入》 の部分を、あなたが今解決したいテーマ(例:「満員電車のストレスを軽減する傘」「絶対に無くさない鍵」「高齢者の免許返納後の移動手段」など)に書き換えて、AIに送信するだけ。

さあ、今すぐ試して、AIが生み出すアイデアの洪水に驚いてください。きっと、自分一人では決して辿り着けなかったであろう、斬新な解決策が目の前に現れるはずです。

まとめ:「悪用厳禁」の力を、未来を創るために使おう

AIとTRIZがもたらす力は、まさに「悪用厳禁」レベルのインパクトを持っています。なぜなら、この力を使える者と使えない者との間に、今後ますます大きな差が生まれていくからです。

思考の限界は、もはやあなたの限界ではありません。それは、単に「道具」を知らないだけだったのです。

この魔法のプロンプトを武器に、ライバルを圧倒するだけでなく、誰も見たことのない新しい価値を「創る側」として、未来を切り拓いていきましょう。

参考メタプロンプト

何かの工夫・改良をする際には以下の発想の切り口40個を使って発想すると多様なアイデアが出ます。今考えたいのは〈 課題や目的を記入 〉の改良製品です。この題材ととくに相性がいいものを3つ選び、通常は組み合わせにくいものを3つ選び、発想してみてください。
以下はその40個の切り口です。

  1. 半分に切る 2. バラバラにして使えるようにする 3. 似ているものの中でどこか1つを変える 4. 左右で違う形にする 5. 二つのものを合わせる 6. 他にも使えるようにする 7. 中に、すっと入るようにする 8. どこかに重りを付ける 9. やる前に反対の方に動かす 10. 後で必要になるものを付けておく 11. 大切な所に何かを付ける 12. 高さを同じにする 13. 逆のやり方にする 14. くるくる回るようにする 15. いろいろな形にできるようにする 16. まずは大雑把にやる 17. 出っ張っている部分やへこんでいる部分を作る 18. 揺らす 19. 何度も繰り返せるようにする 20. 続けられるようにする 21. 素早く動かす 22. 邪魔になっているものを使う 23. 見えない所の様子がわかるようにする 24. 先っぽに固いものを付ける 25. 自分でうまく繋がってくれるようにする 26. 同じようなものをたくさん使う 27. どんどん取り換えられるものを使う 28. 磁石を使って動かす 29. 空気や水がものを押す力を使う 30. アルミホイルのような形を作れるもので包む 31. くっつくものを使う 32. 色を変える 33. 同じ固さか、同じ 材料にする 34. 出すぎないようにするか出てきたものをまた使えるようにする 35. 温度や柔らかさを変える 36. とかしたり、固めたりする 37. 温めて膨らませたり冷やして縮ませたりする 38. もっと濃くしたりたくさん何かを入れる 39. 周りに良くないことが起きないように、何かを詰める 40. 違う材料を一緒に使う。

参考図書

この記事で紹介した内容は、書籍『AIを使って考えるための全技術』で紹介されている50以上のテクニックのうちの1つです。もっとずるい思考法を知りたい方は、ぜひ読んでみてください。👉『AIを使って考えるための全技術』

また、壁打ちについては、『AI壁打ち入門』もおススメです!

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この記事を書いた人

あなたの隣りに何時もいる『ITC顧問』こと、ふくろう博士です。ITC和歌山オフィスの『ITC顧問』スタッフとして、簡単・シンプル・手頃なICTツールを駆使して、あなたの会社の課題解決のお役立ち情報を呟いています。気軽に、フォローなどでお声をお掛けください。
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