業務マニュアルはなぜ作られないのか?|「時間がない」「面倒」が生み出す負の連鎖

業務マニュアルはなぜ作られないのか?|「時間がない」「面倒」が生み出す負の連鎖

はじめに

「業務マニュアルを作らないといけない」

そう思いながら、

何年も手を付けられていない会社は少なくありません。

私が企業支援の現場で相談を受ける際も、

次のような声をよく聞きます。

「作る時間がない」

「忙しくて後回しになっている」

「作っても誰も見ない」

「ベテラン社員が協力してくれない」

しかし、その一方で、

「新人教育に時間がかかる」

「担当者が休むと仕事が止まる」

「引き継ぎがうまくいかない」

という悩みも抱えています。

実はこれらは、

すべてつながっています。

その原因の多くは、

業務マニュアルがないこと

にあります。

今回は、

なぜ業務マニュアルが作られないのか、

そしてなぜ今、マニュアル作成が重要なのかについてお話しします。


目次

マニュアルがない会社は意外に多い

中小企業では、

業務マニュアルが存在しないことは珍しくありません。

正確には、

存在していても、

古いまま放置されていたり、

担当者のパソコンの中だけに保存されていたりします。

実際には、

マニュアルではなく、

「ベテラン社員の頭の中」

がマニュアルになっている会社が非常に多いのです。


なぜマニュアルは作られないのか?

理由①

時間がない

最も多い理由です。

毎日の業務に追われています。

目の前の仕事を処理するだけで精一杯です。

マニュアル作成は、

緊急ではありません。

だから後回しになります。

しかし、

重要ではあります。

ここが難しいところです。


理由②

面倒だから

実はこれも大きな理由です。

マニュアルを作ろうと思うと、

立派なものを作ろうとしてしまいます。

文章を書き、

図を入れ、

体裁を整える。

考えただけで大変そうです。

結果として、

手が止まります。


理由③

作るメリットを感じない

ベテラン社員ほど、

「自分がやった方が早い」

と思っています。

確かにその通りです。

しかし、

それが属人化の始まりでもあります。


理由④

業務整理ができていない

実はここが本質です。

仕事の流れが整理されていない会社では、

マニュアルも作れません。

なぜなら、

何を書けばよいのか分からないからです。


マニュアルがない会社で起きること

新人教育に時間がかかる

教える人によって内容が変わります。

新人も混乱します。


属人化が進む

「あの人しか分からない仕事」

が増えます。


ミスが増える

人によってやり方が違うため、

品質が安定しません。


改善が進まない

現状が見えないため、

改善点も見つかりません。


DXが進まない

システム化するための業務ルールがありません。


AI活用が進まない

AIに教える仕事の手順が存在しません。


多くの人が勘違いしていること

私はよく、

次のような誤解を見ます。

「マニュアルは立派な冊子でなければならない」

これは間違いです。

最初から完璧なマニュアルは必要ありません。


辻本式マニュアル作成法

私は企業支援の現場で、

まず

「箇条書きで十分です」

とお伝えしています。

例えば、

見積書作成

①顧客名を確認

②商品を選択

③価格を確認

④見積書を送付

これだけでも立派なマニュアルです。


写真一枚でもマニュアルになる

例えば、

製造現場。

設備操作。

在庫管理。

こうした業務は、

文章より写真の方が分かりやすいことがあります。

スマホで撮影して、

簡単な説明を付けるだけでも十分です。


動画はさらに効果的

最近はスマホで簡単に動画撮影できます。

実際の作業を録画するだけで、

新人教育の教材になります。

文章を書くより早い場合もあります。


Googleドライブで共有する

私は中小企業に、

まずGoogleドライブの活用をおすすめしています。

理由は簡単です。

無料で始められるからです。

作成したマニュアルを共有フォルダへ保存するだけで、

誰でも見られるようになります。


NotebookLM時代のマニュアル活用

最近は、

NotebookLMというAIツールがあります。

業務マニュアルを登録しておくと、

社員が質問できます。

例えば、

「見積作成手順を教えて」

と聞くだけで、

AIが答えてくれます。

つまり、

マニュアルは読むものから、

質問するものへ変わり始めているのです。


AIはマニュアル作成も手伝ってくれる

実は、

マニュアル作成そのものもAIが得意です。

例えば、

作業内容を箇条書きで入力すると、

AIが整理してくれます。

私はこれを、

「AIを記録係として使う」

と呼んでいます。


属人化解消の第一歩

前回の記事で、

属人化についてお話ししました。

属人化解消の第一歩は、

仕事を見える化することです。

マニュアルは、

そのための重要な道具です。


完璧を目指さない

私が最も伝えたいことがあります。

それは、

完璧を目指さないこと

です。

最初は、

メモでもいい。

箇条書きでもいい。

写真でもいい。

動画でもいい。

まず作ることが大切です。


マニュアルは会社の資産

私はマニュアルを、

会社の知識を資産化する仕組み

だと考えています。

社員が退職しても残る。

新人が入っても使える。

AIにも活用できる。

つまり、

会社の財産になるのです。


業務整理との関係

業務整理

業務改善

マニュアル化

DX

AI活用

生産性向上

私はこの流れをおすすめしています。

マニュアルは、

DXとAI活用の橋渡し役なのです。


まとめ

業務マニュアルが作られない理由は、

時間がないからでも、

面倒だからでもありません。

本当の理由は、

優先順位が低くなっているからです。

しかし、

マニュアルがないことで、

新人教育

属人化

ミス

DX

AI活用

すべてに影響が出ます。

だからこそ、

完璧なマニュアルではなく、

まずは簡単なメモから始めてみてください。

その小さな一歩が、

会社の知識を資産に変えます。

そして、

その資産が将来、

AI活用や生産性向上につながっていくのです。


次回予告

AIは業務マニュアルをどう変えるのか?

「読むマニュアル」から「質問できるマニュアル」へ

NotebookLMや生成AIの登場により、

業務マニュアルの役割は大きく変わり始めています。

次回は、AI時代の新しいマニュアル活用法について解説します。

業務マニュアルはなぜ作られないのか?|「時間がない」「面倒」が生み出す負の連鎖

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この記事を書いた人

あなたの隣りに何時もいる『ITC顧問』こと、ふくろう博士です。ITC和歌山オフィスの『ITC顧問』スタッフとして、簡単・シンプル・手頃なICTツールを駆使して、あなたの会社の課題解決のお役立ち情報を呟いています。気軽に、フォローなどでお声をお掛けください。
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