こんにちは!AI共創スタジオの辻本です。
最近、インターネットを見ているとAIが作った様々なコンテンツを目にしますよね。でも、正直なところ「なんかピンとこないな」「これ、自分には関係ないかも」と感じることはありませんか?
実はこれ、すごく自然なことなんです。そして、この感覚こそが、今まさに起きている「情報の個別最適化」という大きな変化のサインなんです。
今回は、GoogleのAIツール「NotebookLM」の最新機能を通じて、この個別最適化の時代についてお話ししたいと思います。
すごいAIツール「NotebookLM」に衝撃の機能が登場!
2025年4月30日、Googleの提供する「NotebookLM」というツールに、日本語版で画期的な機能が追加されました。それは、まるで人間同士が会話しているかのような、めちゃくちゃ自然で面白いラジオ番組をAIが自動で作ってくれる機能です!
前回の動画でもご紹介しましたが、そのクオリティの高さに私は本当に鳥肌が立ちました。難しい専門用語も、まるでベテランパーソナリティが解説してくれるように分かりやすく話してくれる。
AIの音声も不自然さがほとんどなくなり、男性と女性が会話しているように聞こえるんです。「え、それ本当ですか!?」「それはすごいですね!」なんて相槌まで自然で、聞いていると本当に引き込まれます。
この機能、何がすごいかというと、大きく3つの進化があります。
- 精度がケタ違いにアップ!:AIとは思えないほど自然で高品質なラジオが作れるようになりました。
- とにかく簡単!:NotebookLMに知りたい情報のデータを入れて、ボタンを一つ押すだけ。これだけで専門的な知識がなくても誰でもラジオが作れます。
- そして、これが最大の革命!「個別最適化」
これまでの情報と全く違う!「自分だけにぶっ刺さる」超コアなコンテンツ
テレビや多くのYouTube、書籍など、これまでのメディアは「より多くの人」に向けて情報を作ってきました。当たり前ですよね、一部の人しか興味がない情報ではビジネスとして成り立ちません。
でも、今回のNotebookLMで作れるAIラジオは全く違います。
例えば、
- 「惑星『土星』の輪っかは、一体どんな成分でできているんだろう?」
- 「和歌山県和歌山市の〇〇地区にある、子育てに最高な施設ってどこ?」
こんな、誰も興味なさそうな超ニッチでローカルな情報、普通のラジオ番組になるなんて考えられませんよね?でも、NotebookLMを使えば、あなたが調べたいそのマニアックなテーマで、あなただけのラジオが簡単に作れてしまうんです。
つまり、あなたの興味関心に、もう本当に「ぶっ刺さる」ような、めちゃくちゃコアなコンテンツを、これからはいつでも手に入れられるようになったんです。
Chat GPTなどのテキストAIでも「あなた向けの文章」は作れましたが、これほどのインパクトはありませんでした。しかし、NotebookLMの高品質な音声ラジオになったことで、この「超個別最適化」された情報の世界が、一気に現実味を帯びてきたと感じています。これが、私が「時代の転換点」だと感じている理由です。
だから、「他人のAIコンテンツ」は面白くない
ここで冒頭の疑問に戻ります。なぜ、他人が作ったAIコンテンツを見てもピンとこないのか?
それは、そのAIコンテンツが、作った本人(あなたではない誰か)の、超個人的でニッチな興味関心に合わせて最適化されているからです。
例えば、私が科学オタクで、科学に関する情報をNotebookLMに入れて作ったラジオは、私にとってはめちゃくちゃ面白いかもしれません。でも、科学に興味がない人がそれを聞いても、「ふーん」くらいで終わってしまうでしょう。
これは、AIがその人の「悩み」や「興味」にドンピシャで応えることに特化しているからなんです。
この「面白さ」は、自分で体験しないと絶対に分かりません!
誰かが作ったものや、YouTubeで解説されているのを見ているだけでは、この個別最適化された情報の真価は理解できません。
まずは自分でやってみよう!「自分専用ラジオ」を作る体験を
ぜひ、今すぐNotebookLMを開いてみてください。そして、あなたが「これ、すごく知りたい!」「これについてもっと深掘りしたい!」と思う情報をNotebookLMに与えて、ラジオを作ってみてください。
データは、PDFファイルやGoogleドキュメント、ウェブサイトのURLなど、何でも大丈夫です。あなたの悩みや興味、関心事をNotebookLMにぶつけてみてください。
すると、あなただけに最適化された、あなたの心に響く情報コンテンツが出てくるはずです。
この「自分専用コンテンツ」を体験すること。これが、新しい情報時代の一歩目になります。
AIコンテンツは、これまでの情報とどう違う?
AIで作るコンテンツは、既存のテレビやラジオといった「マスメディア」と単純に競合するものではないと私は考えています。
マスメディアが広く浅く、多くのニーズをカバーする役割だとすれば、AIコンテンツは、**一人ひとりの細かく、ニッチなニーズ(いわゆる「ロングテール」)**にピンポイントで応える役割を担います。
そして、決定的に違うのは情報の受け取り方です。
従来のラジオのように、流れてくるものを「受動的」に聞くのではなく、NotebookLMのAIラジオは、あなたが知りたい情報を「能動的」に取りに行く、読書やYouTubeでの情報収集に近い体験です。
これから、情報コンテンツの世界はどうなる?
AIがこれほどまでに面白く、自分に最適化された情報を提供できるようになったということは、間違いなく既存の情報コンテンツの世界に影響を与えます。
正直に言って、世の中に溢れる「なんとなく面白い」「多くの人に向けた」大衆向けの情報の価値は、相対的に下がっていくでしょう。AIが自分にドンピシャの情報を提供してくれるなら、わざわざ自分に関係のない情報に時間を費やす必要がなくなるからです。
例えるなら、これは**「ドラえもん」があなたの個別の悩みにピンポイントで答えてくれる**ようなものです。大衆向けの薄い情報ではなく、あなたの心に響く、あなただけの答えをAIが届けてくれる。
かつてスマートフォンゲームが登場し、他の娯楽(遊園地、パチンコ、リアルな交流など)に費やす時間が減ったように、これからはAIが生成するコンテンツに、私たちの時間やエネルギーが費やされやすくなるでしょう。
つまり、「お客さんの時間や関心を奪い合う」ようなビジネスモデルは、全体的に厳しくなっていくと考えられます。情報発信やコンテンツ制作に携わるすべての人が、この変化に備える必要があります。
まとめ:個別最適化の時代へ、まず一歩を踏み出そう
AIによる情報の個別最適化の時代は、もう始まっています。他人が作ったAIコンテンツがなぜ刺さらないのか、その理由はAIがあなたのための情報ではないからです。
この革命的な変化を肌で感じ、これからの情報との付き合い方を考えるためにも、まずは自分で体験してみることが何より大切です。
繰り返しになりますが、**必ずNotebookLMを開いて、あなたの興味関心のあるデータで「自分専用ラジオ」を作って聞いてみてください。**そこから、あなたの新しい情報体験が始まります。
今回は以上です。ありがとうございました!