私は、雇用系の公的助成金の相談業務など経験しておりました、雇用系の公的助成金は、企業の経営を助け、雇用の維持・促進を目的として、主に厚生労働省が中心となって行っています。雇用関係の助成金とは、「雇用維持」「新規雇用」「人材育成」などが一般的ですが、労働環境を整えること(就業規則の変更、ストレスチェック制度実施、保育・介護労働者の処遇改善)などの助成もあります。
雇用系の公的助成金は、各助成金の受給要件のほかに、共通した要件を満たした上で申請を行う必要があります。融資とは異なり、要件を満たせばもらえる助成金は、大変魅力的な制度です。
今回は、これから助成金を申請する、または申請を検討している方が参考にして頂ける、助成金の共通要件についてご紹介します。
まずココは要チェックしましょう!
雇用系の公的助成金の要件を確認する前に、チェックすべきところは、
- 労働時間を、適切に記録・把握できているか
- 給与計算で時間外労働などの割増賃金を、適切に計算・支給されているか
など、日々の労務管理が正しく行われているどうかが重要になってきます。
そのため、正しい企業運営を行っているかどうか、申請を検討する際にはきちんと確認しておきましょう。
労働時間はどのように把握、管理していけばいいのでしょう?
労働時間を適正に把握していくために、使用者が日々行うべき措置のうち、大まかに次の3つの要件について見ていきましょう。(参考:厚生労働省:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準)
- 使用者は、労働者の日ごとの始業・就業時刻を確認し、適正に記録すること
- 労働時間の記録に関する書類は、労働基準法第109条に基づき、3年間保管すること
- 使用者は、労働基準法第108条において、賃金台帳を作成すること
助成金をもらうための共通要件とは?
助成金をもらうための事業主の要件は、次の(1)~(3)すべてを満たす必要があります。
- (1)雇用保険適用事業所の事業主であること
- (2)支給のための審査に協力すること
- (3)申請期間中に申請を行うこと
仕事と家庭の両立支援関係等の助成金について
- 男性の育児休業等取得推進に取り組む 両立支援等助成金(出生時両立支援コース)
- 中小企業が仕事と介護の両立支援に取り組む 両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)
- 中小企業が労働者の円滑な育児休業取得・職場復帰に取り組む 両立支援等助成金(育児休業等支援コース)
- 育児・介護等を理由とする離職者を再雇用する 両立支援等助成金(再雇用者評価処遇コース)
- 300人以下の中小企業が女性が活躍しやすい職場環境を整備し、目標を達成する 両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)
業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援について
働き方改革推進支援助成金について
生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む中小企業・小規模事業者や、傘下企業を支援する事業主団体に対して助成するものであり、中小企業における労働時間の設定の改善の促進を目的としています。
- 働き方改革推進支援助成金 (労働時間短縮・年休促進支援コース)
- 働き方改革推進支援助成金 (勤務間インターバル導入コース)
- 働き方改革推進支援助成金 (職場意識改善特例コース)
- 働き方改革推進支援助成金 (団体推進コース)
- 働き方改革推進支援助成金 (テレワークコース)