属人化はなぜ起きるのか?|「あの人しか分からない仕事」が会社を弱くする理由

属人化はなぜ起きるのか?|「あの人しか分からない仕事」が会社を弱くする理由

はじめに

「この仕事は○○さんしか分からない」

「○○さんが休むと仕事が止まる」

「引き継ぎがうまくいかない」

中小企業の現場でよく耳にする言葉です。

実はこれ、

多くの会社が抱えている共通の課題です。

私は企業支援の現場で、

業務改善やDXの相談を受ける際、

まず属人化の有無を確認します。

なぜなら、

属人化は会社の生産性を下げるだけでなく、

成長を妨げる大きな原因になるからです。

しかし、

属人化は決して悪意で起こるものではありません。

むしろ、

真面目な社員ほど属人化を生み出してしまうことがあります。

今回は、

属人化がなぜ起きるのか、

そしてどうすれば解消できるのかについてお話しします。


目次

属人化とは何か?

属人化とは、

仕事のやり方や知識が特定の個人に依存している状態です。

例えば、

・担当者しか見積書を作れない

・担当者しか顧客対応ができない

・担当者しかシステムを操作できない

・担当者しか業務手順を知らない

という状態です。

つまり、

会社の仕事が仕組みではなく、

人に依存している状態です。


なぜ属人化は危険なのか?

普段は問題なく見えます。

しかし、

次のような状況になると一気に問題化します。

突然の休暇

担当者が体調不良で休んだ。

誰も仕事が分からない。


退職

ベテラン社員が退職した。

ノウハウも一緒に消えた。


繁忙期

担当者に仕事が集中した。

処理が追いつかない。


つまり、

属人化は会社にとって大きなリスクなのです。


属人化が起きる本当の理由

多くの経営者は、

「本人が教えたがらないから」

と思っています。

しかし、

実際には違うことが多いのです。


理由①

忙しくて整理する時間がない

毎日目の前の仕事に追われています。

マニュアルを作る時間がありません。

結果として、

頭の中だけで仕事をするようになります。


理由②

長年の経験で感覚化している

ベテラン社員ほど、

仕事が無意識化しています。

本人は簡単だと思っています。

しかし、

新人には分かりません。


理由③

教える仕組みがない

教育が担当者任せになっています。

会社として共有する仕組みがありません。


理由④

業務整理ができていない

仕事の流れそのものが見える化されていません。

本人しか理解できない状態になります。


真面目な人ほど属人化する

ここが重要です。

属人化は、

サボっている人ではなく、

頑張っている人が作ることが多いのです。

例えば、

「あの人に頼めば早い」

という状況があります。

周囲も頼る。

本人も引き受ける。

結果として、

仕事が集中します。

そして、

誰も代われなくなります。


属人化が会社に与える5つの悪影響

① 生産性が下がる

仕事が一人に集中します。

全体最適ができません。


② 教育が進まない

新人が育ちません。


③ 改善が進まない

現状が見えないため、

改善ポイントも見つかりません。


④ DXが失敗する

業務手順が整理されていないため、

システム化できません。


⑤ AI活用が進まない

AIに教える業務ルールが存在しません。


属人化解消の第一歩

私は企業支援の際、

まず次の質問をします。

「その仕事を説明できますか?」

説明できなければ、

共有もできません。

AI活用もできません。

まずは言語化が必要です。


辻本式「見える化」のすすめ

属人化解消の第一歩は、

業務の見える化です。

例えば、

誰が


何を


いつ


どのように


行っているかを書き出します。

これだけでも多くの気付きがあります。


マニュアルは完璧でなくてよい

多くの会社が勘違いしています。

マニュアルは、

立派な冊子である必要はありません。

最初は、

箇条書きで十分です。

例えば、

見積作成手順

①顧客情報確認

②商品選択

③価格確認

④見積送付

これだけでも立派な共有です。


Googleフォームやスプレッドシートも有効

属人化解消には、

無料ツールも役立ちます。

例えば、

Googleフォームで受付を統一する。

Googleスプレッドシートで情報共有する。

これだけでも、

担当者依存を減らせます。


NotebookLMは属人化解消の強力な武器

最近私が特に注目しているのが、

NotebookLMです。

業務マニュアル

議事録

提案書

FAQ

を登録しておけば、

会社の知識を共有できます。

つまり、

「あの人の頭の中」

を会社の資産にできるのです。


AI時代の属人化対策

AI活用の時代になると、

属人化はさらに問題になります。

なぜなら、

AIに仕事を教えるためには、

業務ルールを整理する必要があるからです。

つまり、

属人化が進んでいる会社ほど、

AI導入が難しくなります。


業務整理との関係

私はいつも、

業務整理

業務改善

DX

AI活用

生産性向上

という順番をお伝えしています。

属人化解消は、

まさに業務整理の重要なテーマです。

仕事の流れが見える化されることで、

誰でも仕事ができる状態になります。


ある企業の改善事例

ある会社では、

見積作成が一人のベテラン社員に集中していました。

休暇を取ると仕事が止まります。

そこで、

手順を整理し、

見積作成フローを見える化しました。

さらに、

テンプレート化し、

共有フォルダで管理しました。

結果として、

複数人が対応できるようになり、

処理速度も向上しました。


まとめ

属人化は、

「あの人しか分からない仕事」

が増えることで発生します。

そして、

会社の成長を妨げます。

しかし、

原因は本人ではありません。

多くの場合、

業務整理不足です。

だからこそ、

まずは仕事を見える化することが重要です。

誰がやってもできる状態を作る。

知識を共有する。

仕組み化する。

これが属人化解消の第一歩です。

そして、

属人化が解消されることで、

DXも進みます。

AI活用も進みます。

生産性も向上します。

会社を強くするために、

まずは「あの人しか分からない仕事」を一つ見つけることから始めてみませんか?

そこに、

次の成長のヒントが隠れています。


次回予告

業務マニュアルはなぜ作られないのか?

「時間がない」「面倒」が生み出す負の連鎖

多くの企業が必要性を感じながらも作れない業務マニュアル。

なぜ作られないのか?

そして、どうすれば簡単に作れるのか?

次回は、業務共有の基本となるマニュアル作成について解説します。

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この記事を書いた人

あなたの隣りに何時もいる『ITC顧問』こと、ふくろう博士です。ITC和歌山オフィスの『ITC顧問』スタッフとして、簡単・シンプル・手頃なICTツールを駆使して、あなたの会社の課題解決のお役立ち情報を呟いています。気軽に、フォローなどでお声をお掛けください。
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