
なぜ頑張っているのに成果が出ないのか?中小企業の生産性向上は「業務整理」から始まる
はじめに
「毎日忙しいのに利益が増えない」
「社員は頑張っているのに仕事が回らない」
「DXやAIを導入したいが、何から始めればよいかわからない」
このような悩みを抱えている経営者の方は少なくありません。
しかし、その原因は社員の能力不足でも、経営者の努力不足でもありません。
実は、多くの会社で共通している問題があります。
それが、
「業務整理ができていない」
ということです。
私は37年間、IT業界で企業の業務改善に携わり、現在は和歌山県よろず支援拠点 生産性向上支援センターで中小企業の支援を行っています。
これまで多くの企業を見てきましたが、生産性が高い会社には共通点があります。
それは、
「仕事の流れが整理されている」
ことです。
業務整理とは何か?
業務整理とは、
「会社の仕事の流れを見える化し、ムダ・ムラ・ムリを発見すること」
です。
簡単に言えば、
「会社の仕事を棚卸しすること」
です。
例えば、
・誰がやっているのか
・何をやっているのか
・なぜやっているのか
・どのくらい時間がかかっているのか
・本当に必要な作業なのか
を確認します。
多くの会社では、
「昔からやっているから」
という理由だけで続いている仕事が少なくありません。
業務整理とは、その当たり前を見直す作業なのです。
なぜ業務整理が必要なのか?
経営者からよく聞く言葉があります。
「うちは人が足りない」
本当にそうでしょうか?
実際に現場を見てみると、
・同じ内容を何度も入力している
・紙に書いてからExcelへ入力している
・情報を探すのに時間がかかっている
・確認待ちで仕事が止まっている
・特定の人しか分からない仕事がある
というケースがよくあります。
つまり、
人が足りないのではなく、
ムダな仕事が多いだけかもしれないのです。
業務整理を行うことで、
「本当に必要な仕事」
と
「やめても困らない仕事」
が見えてきます。
業務整理をしない会社で起こる5つの問題
① 二重入力が増える
紙に書く
↓
Excelに入力する
↓
システムへ入力する
このような作業は珍しくありません。
同じ情報を何度も入力しているため、生産性が下がります。
② 属人化が進む
「あの仕事は○○さんしか分からない」
という状態です。
担当者が休むと仕事が止まります。
退職すると業務が回らなくなることもあります。
③ ミスが増える
手作業が多いほど入力ミスが発生します。
修正作業や確認作業も増えます。
④ 情報が分散する
Excel
紙
LINE
メール
口頭
など情報が散らばることで、
必要な情報を探す時間が増えます。
⑤ DXやAIが失敗する
実はこれが一番大きな問題です。
業務整理されていない会社にAIを導入しても成果は出ません。
なぜなら、
AIに教えるべきルールが整理されていないからです。
業務整理で最初に見るべき3つのポイント
私は相談現場で、まず次の3つを確認します。
① なくせる仕事はないか?
「本当に必要ですか?」
と問いかけます。
意外と不要な作業があります。
② 減らせる仕事はないか?
毎日行っている作業を、
週1回にできないか。
紙をデジタル化できないか。
を考えます。
③ 整えられる仕事はないか?
仕事のやり方を標準化します。
誰がやっても同じ結果になる状態を目指します。
辻本式「やめる・減らす・整える」
私は業務改善を進める際、
次の順番をおすすめしています。
やめる
不要な仕事をやめる
減らす
必要だが回数を減らす
整える
仕事の流れを標準化する
この順番です。
多くの会社は、
いきなりシステムを導入しようとします。
しかし、
業務整理
↓
業務改善
↓
DX
↓
AI活用
の順番で進めた方が圧倒的に成功率が高くなります。
業務整理の成功事例
ある会社では、
紙の日報を使っていました。
現場で記入
↓
事務所へ持ち帰る
↓
Excelへ入力
↓
集計する
という流れでした。
そこでGoogleフォームへ変更しました。
すると、
・転記作業ゼロ
・集計作業ゼロ
・リアルタイム共有
が実現しました。
システム導入費は0円です。
これも立派な業務整理です。
まとめ
業務整理とは、
仕事の流れを見える化することです。
多くの会社では、
問題が見えていないことが最大の問題です。
だからこそ、
まずは業務整理。
そして、
業務改善
↓
DX
↓
AI活用
↓
生産性向上
という順番で進めることが重要です。
AIは確かに優秀です。
しかし、その前に業務整理。
これが中小企業の生産性向上の第一歩です。
次回は、
「なぜDXが失敗するのか?中小企業が陥りやすい3つの落とし穴」
について解説します。